Part3.「細密への第一歩」


いよいよ「実践編」に入っていく。

そもそも「星占い」という方法で、或る個人を占うとはどういう事なのか、という説明。つまり、

或る人間を占うに当って、その人間を特定するものは何か?… といえば、それは勿論

「その人間が生まれ落ちた瞬間に、その場所で、空に見えていた筈の惑星と星座の配置」

で決まるという事なのだ。今この瞬間にも、全世界で数百単位の新たな人間が生まれている。

だが、「同時刻に同一経度上で生まれていない限り!」惑星と星座の配置が共有される事は

有り得ない。これを称して「出生天宮図(Natal-Chart)」という。まずはこの配置から求めていこう。

必要になるのは、生年月日とその時刻、それに出生地の経度である。(この先、俺のやり方は

ちと古臭い。とゆーか、出生地が日本に限定されない場合のやり方を「正統的」に踏んでいるので、

手順がやや煩雑になっているのだ。簡略化された手順をご存知の方は途中をすっ飛ばして、

先へお進み願いたい)

@まずJST(日本時間)をGMT(グリニッジ標準時)に変換。「世界標準」だから。出生時刻から

−09:00する。(午前9時以前の生まれならば、+15:00して出生日を−1しておく)

A次に、出てきた値を、12:00と比較。±12:00以内の値にする。これは「平均時差」といって、

(グリニッジ時間で)正午からの時差を求めているのだ。

B出生日で
別表「平均恒星時表」を検索。「月日」が「時分」に変換される。ここで求まった時刻に

「平均時差」を加え、更に+09:00した上で、日本時間の基準「明石市」の経度・E135° からの

経度差を加減する。1日24時間が360度であるから1度は4分。従って、例えば「東京」ならば

E140° 弱であるから+00:19。こうして求めた時刻が24:00を超えていたら24:00を引く。

00:00を下回っていたなら、24:00を足す。求められた時刻を「恒星時(SiderealTime)」と呼び、

これを「座宮表」と照らし合わせることで出生時刻の星座配置が決定する。


…で。

この「座宮表」…なるものの説明が、そのまま「天宮図」の書き方…となる。白紙の「天宮図」が

描ければ、あとは出生日で「天文暦」を読んで、各惑星を「天宮図」上にばらまいて、…それで

「出生天宮図」は完成、する。

「以下次号」。

(更にもう少し間が空きます。「…図」と「…表」の用意が要るんで…)