Part6.「星が語るもの…」


 再び、「閑話休題」。

天王星・海王星・冥王星… 太陽系の外周…「辺境」を巡る3惑星がたかだかこの200年間に

見つかったばかり(つまり、全部揃ったのは20世紀に入ってから)というのはご存知かな?…

しかるが故に、この3惑星を用いるのは「西洋占星術」の中でも、「近代西洋占星術」と呼ぶ

のが至当であるということを?

 まあ、「占法」というものも、変わっていって当然…という話である。…それは「進化」していく

ものなのだ。結局のところ、「その星の囁き」に耳を傾けてしまったから…今、俺はこんな事を

書いている。

 …話を戻そう。先々回中断した「天宮図」の記法である。先回にちらっと触れたが、一応あれで

「天宮図」の右半分の各室もそれぞれ何座に振り分けられるか、わかってもらえたと思う。そこで

いよいよ「天文暦」の出番であるが、その前に。

 あのように「天宮図」に各星座を割り振っていくと、時折スキップされてる星座が出てくる。つまり、

見かけ30度の中に隠れてしまう星座が。これを「狭在(Intercept)」と呼ぶ。大した意味はない。

ただ、この後惑星を配在する時に、「星座が無い!…」と混乱しないように、とりあえず指摘。通常は

あるべき位置に星座マークを「丸」で囲って記しておく。

 それでは、星座に続き、各惑星の「意味合い」を、順に書いていく。こちらはチョイと「目からウロコ」

…かも知れない。

:太陽 象意するものは「フロント」…その対象の「表」。つまり「前面に現われているもの」
という意味。即ち、それが必ずしも「本質」ではないかも知れない、という含み。まあ
一応は「ベーシック」…「基本」をあらわすものと考えて不都合はないのだが。
しし座の守護星である。
:月 象意は勿論「バック」…「裏」というか「背景」。太陽に照らされてその姿を表わす
月は、普段「背面に隠れているもの」の象徴。刻々とその位置を変えていくので、
特に精度が求められる時以外、俺は重要視しない。それこそ「ルナティック」…「あ
てに出来ぬもの」であるから。かに座の守護星。
:水星 象意は「センス」…「感覚」とか「情報」とか。「知識」を意味する場合もある。太陽
に最も近い惑星であり、そうした面での「本質の一部」を担う。「才能」とか「癖」と
かとも云える。つまり「他者と関わり合う」部分…「コミュニケーション」はこの星が
担当しており、その意味で結構重要度は高い。ふたご座及びおとめ座の守護星。
:金星 象意は「フィーリング」…「情」。「感情」一般、勿論「愛情」も含んでいる。有体に
いって、「情」というのは始末におえない。「理屈」では割りきれないものだからだ。
つまりそれは「人間そのもの」である。「人間関係」がキーとなる要素では、良くも
悪くも、こいつが関わってくる。おうし座及びてんびん座の守護星。
:火星 象意は「ウィル」…「意志」。精神面における「感情」の対極。それはまた「力」の
象徴でもある。これまた始末におえない。「作用」があれば「反作用」がある。如何
なるベクトルも「摩擦」を生じずには存在し得ない。何らかの「意志」が存在すれば
必ず軋轢が伴うものなのだ。おひつじ座の守護星。
:木星 象意は「アップ」若しくは「トップ」…とにかく「上」。何事によらず、それを「増幅」す
る。良ければ良い方に、悪ければ悪い方に。更に、太陽の周囲を約12年かけて
巡るこいつは、時間の流れに何がしかの「シーズン」…「季節」を形成する。太陽
に次いで影響度大の惑星。いて座の守護星である。
:土星 象意は「ダウン」若しくは「ボトム」。木星の対極で…「下」。象徴は勿論「抑制」。
良き事には「影」が射し、悪い事は「深刻」の度合いが増す。(必ずしも「より悪く」
とはならない…のが救いか?)事態の進行に「ブレーキ」をかける、という意味も
あって、その影響度は木星に次ぐ。やぎ座の守護星。
:天王星 象意は「ハプニング」…「転機」。良くも悪くも「何かが起こる」。しかも、起こった
そのことが「分岐点」となって、以後の展開が全く変わってくる。最近の研究でも
結構重要視されてるのがこの惑星。その石は、あなたを蹴躓かせるためにのみ、
そこに転がっていたのだ…。みずがめ座の守護星。
:海王星 象意は「ビジョン」…「陰」。この惑星が関わるところ、そこには「何か」が横たわっ
ている。明確に「何」と指摘できない「何か」が。所謂「不吉な予感」という奴で、実
は何も起きないかも知れない。それは「漠としたモヤモヤ」であり、本来確たる
「未来予測」である占星術を無効化する力の一つなのだ。うお座の守護星。
:冥王星 象意は「リバース」…「逆」。「不吉な予感」とは、むしろこいつの方にあてはまるか。
「得体の知れぬ、決して些細ではない出来事」から「一からやり直し」まで、良くも
悪くも取れる事態が招来される「可能性」。「大山鳴動してネズミ一匹」ならばむしろ
良しとせねば。さそり座の守護星。


 …これら10惑星以外にも、「セレス」「パラス」といった小惑星を勘定に入れたり、「ノード」と呼ばれる

「月と太陽の交錯点」を用いたりするやり方もあるのだが、そこまで俺は研究していない。が…

 どうだろう? 何となく「おどろ」な世界が見えてきてはいないか? …ここに書いた内容は、はっきり

云って、占星術の入門書に記載された内容とは外れてきている。従来の占星術では金星・木星が「吉星」、

火星・土星は「
星」とされてたりするのだが、長年星図を眺めているうち、どうしてもそんな「一面的」

な捉え方では「解釈不能」な場合が多いことに気付いてしまい、…それでこんな記述になった。

 もう少し続けよう。次は「天宮図」の成り立ちについて…。今度はかなり時間かかりそうだぞ…

「以下次号」。