Q アレルギー性鼻炎で困っています。
定期的な注射による治療を勧められたのですが減感作療法とはどんな治療法ですか?

A 減感作療法とは文字どおり感作された(過敏になった)体質を減らす治療法で、
現在一般的に行われている治療の中では唯一アレルギーの根治が望める治療法です。

具体的にはハウスダストやスギなどの原因物質を週に1回皮内に注射します。
注射量は少ない量から徐々に増加させていき、ある程度の量になったところで維持量として継続します(多くの場合3〜4ヶ月頃増量の途中で効果が現れてきます)。
効果が安定してから注射の間隔を徐々にあけてゆき、月に1回になったところで約2年間続けます。
全体を通して約3年間かかります。
症状が強かったり長く続く患者さんには第1に考慮していただくとよい治療法ですが、治療に根気と時間が必要です。
途中で長く間があいてしまうと注射量を少し戻して行う必要がありなかなか効果のある量に達しない為、あまり定期的に治療出来ない患者さんではこの治療は不向きと言えます。
また原因物質が特定できなかったり、異なる患者さんでは効果は期待できません。
好ましくない現象としては、アレルギーの原因物質を直接注射するのですから注射部には腫れ、かゆみなどの局所症状があります。
また非常にまれにですが注射のあとショック様症状を起こす可能性もあり注意が必要です。
このようなことを防ぐ為注射当日は激しい運動はさけていただきます(入浴は可)。
これらの件ついてもよく考慮したうえで治療を開始されることをお勧めします。
こういったマイナス面のためもあり、一般の開業医ではこの治療法を行っていない施設も少なくありませんが、大きな病院では行っていることが多いようです。
当院ではこの減感作療法を、最も効果が安定しており副作用も少ないハウスダストによるもののみ行っております。
また、注射後はしばらくの間院内にて経過をみていただき、再度診察し、副作用等の発現がないことを確認してからお帰りいただいております。