Q. 口が渇き易くて困っています。飴などをなめていますが一向に良くなりません。
何科を受診したら良いでしょうか。(60才女性)

A. 口の渇きを感ずる時、実際に口の中が乾燥している場合と、そうでない場合があります。
唾液腺機能検査により、実際に乾燥がある場合とそうでない場合の鑑別や唾液分泌異常の程度が鑑別できます。
口の中が乾いていない状態で口渇を訴える場合には、精神的因子や、一部の薬剤によるのものなどが考えられます。
また、実際に口の中が乾燥している時には、唾液腺自体の障害、中枢性の疾患、全身疾患の症状、薬剤性の唾液分泌の低下、神経障害などが考えられます。
このなかで、中枢性疾患としては脳血管障害、脳変性疾患、脳の腫瘍など脳の障害が、
全身疾患の症状では糖尿病、甲状腺疾患、尿崩症、発熱、脱水などが、唾液分泌の低下を来す薬剤としては、
抗ヒスタミン剤、催眠鎮静剤、抗うつ剤などが、神経疾患としては外傷、末梢神経炎、顔面神経麻痺などが考えられます。
唾液腺自体の異常のなかには先天性のもの、加齢によるもの、放射線照射後などの腺の変性によるものと、シェーグレン症候群などが考えられます。
先にあげた病気の鑑別や、診断には唾液腺機能検査、唾液腺造影検査や、唾液腺生検などが必要になることがあり、
これらの検査は耳鼻咽喉科が主に行っておりますので、口腔内乾燥症に対してはまず一度お近くの耳鼻咽喉科を受診されると良いでしょう。
また、最近シェーグレン症候群には口腔内乾燥を改善する薬剤が開発され、口渇に対し高い効果が得られています。