子どもは重さの保存をどう認識していくか
A 実験の条件を児童が変化させようとする傾向 (実践例)
【事例】 「ものの温度と体積」 小 4年生
(1) 水のいっぱい入った試験管をビーカーに入っている湯で温めるとガラス管の中の水はどうなるでしょう。
見たことを書きなさい。
略
(2) 考えてわかったことを書きなさい。
略
(3) もっとやってみたいことを書きなさい。
自由記述
◎ 試験管に湯を入れ、ビーカーに水を入れてみたい。
◆ ビーカーに水を入れ、その中に試験管を入れてみたい
◆ 試験管に湯を入れ、ビーカーの湯の中に入れてみたい
◆ 試験管を冷たい氷の中に入れて冷やしたい。
◆ 水と湯をもっと多くしたい。
◆ 湯をもっと熱くしてみたい。
◆ 温めた水を冷たい氷の中に入れてみたい。
◇ 水と空気を半分づつ入れてみたい。
◇ 試験管を2本入れて比べてみたい。
◇ 無回答
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16人
6人
3人
1人
1人
1人
1人
1人
1人
7人
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◎ 条件を反対にしてみたい。
◆ 条件の差を大きくしたり小さくしたり,同じにしてみたりしてみたい。
【考察】
この結果から次の2つの特徴が読み取れる。
第1の特徴は、基本となる学習を基に考えを深めようとする時、
「条件を反対にしたらどうなるのだろうか。」
が1番の関心ごとだということである。
第2の特徴は、
「条件の差を色々な形で大きくしたり、小さくしたりしてみたい。」
ということである。
さらに、多くの児童がまず提示事象と同じ実験をしていることから
「僕がやっても同じになるのだろうか。」
と考えていることも明らかである。
児童は、順方向の現象を確かめただけでは、必然として認めることができない。逆方
向の現象はどうか、を確かめることによって必然として認識できると考えていると思わ
れる。
また、条件の差によって結果が変わるのではないか、という意識が認められ、差をよ
り小さく、反対により大きくという傾向がある。ここでも、大小という順方向と逆方向
の操作を通して現れる現象を確かめることによって、規則性を認識していこう、と考え
ていることがわかる。