郡上おどりの特色


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1:里人の結合性

奥美濃の辺境に会って、人情のこまやかな里人たちが、
いつの時代いかなる圧制の場合にもくずれることなく、
つねに心のよしどころとして育て上げてきたのが
「郡上おどり」である。

純朴と勤勉そして忍耐力の強さは、
山間の狭小な痩せた土地と寒冷の中に生れてきた先祖から、
次々に受け継いだ郡上の根性とでもいうべきであろう。

しかもそれは、
村々の団結に支えられた不屈の精神をあわせもっていたのである。

宝暦年間における郡上一揆の「傘連判状」は、
神文に対して平等の責任を負うように円形に名前を連ねたものであり、
目的遂行を誓い合った結合性の表れでもある。

この決死の盟約があったからこそ、
四年半にもわたる長期間の抗争続けることができたのであり、
その結果は、
同時代における百姓一揆のほとんどが
一つの悲願として終わっているのに対して、
郡上のそれは、領主改易まで追い込んだのである。

こうした郡上人の精神や根性に支えられてこそ、
この歌や踊りを親から子へ孫へと伝承し、
数少ない娯楽の一つとして今日まで伝えられてきたものである。



2:徹夜の盆踊り


盆の8月13日〜16日まで四日間は、
徹夜で踊り明かす習慣がおこなわれており、
昭和30年代頃までは宵の口から翌朝6時頃まで踊られていた。

今日では公衆衛生や交通安全等の見地から午前4時までに改められているが、
いずれにしても、長時間にわたって踊り続けるには、
それなりの変化と盛り上がりがあるからであろう。

夜を徹して踊り明かすためには、単調さをさけた歌や
踊りの種類が必要で、その点郡上おどりの、
かわさき・三百・春駒の歌詞は、7・7・7・5調であって
いずれにも通用し緩急の妙を得ている。
しかも、かわさきと三百は音頭取りと踊り子との唱和形式を取っていて、
音頭取りが一つの歌詞を歌うと、
踊り子が唱和しその四の句を二度返し三・四の句へと続いている。
なお、歌詞のあいだには、「アソンレンセ」とか「ホイ」という
短い囃子詞をいれて、音頭取りと踊り子の意気のふれ合いを求めてる。

また、春駒は威勢のよい踊りであるところから、
歌の返しはしないが、やや長い囃子詞の
「七両三分の春駒〜」によって、踊り全体を調子づけているのである。

このようにして、歌詞の自由な選択と返し歌や囃子詞によって、
相当に長い時間を楽しむ事ができるのである。
さらには、古調かわさきや、猫の子・さわぎ・甚句などを組み入れ、
また、げんげんばらばら・ヤッチク・まつさかなどの口説き詩を
あわせ用いることによって、踊りの単調感を少なくし、
囃子方の疲労度を救うようになっている。

口説き節はもともと仏教音楽から出た唄い方だと言われる、
鎌倉時代の平家琵琶の中にもこれがあったといわれてる。
口説きの歌詞は七七調または、七五調の連続したもので、
曲節も平板になりがちなところから、
音頭取りは歌詞の内容にあわせ
リズミカルに唄いあげる事に心くだいてる。

特に「ヤッチク」「まつさか」の歌詞は長いので
一節ごとに踊り手が声を揃えて
「アラ、ヤッチクサッサ」とか「コライ、コライ」とか
「ア ヨイヤナ― ヤートセー」なんて囃子詞をいれて、
歌と踊りを盛り上げていくんだって!



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