かかしは 車にはねられ ゴミ置き場にいた。

からだはボロボロ もう足もなかった。

モトニ モドッタンダ… モウ アルケナイ…

タンボニ カエリタイナ…


目から涙がこぼれた。

かかしの胸に ふる里の夕焼けが浮かんだ。

広い空 ゆっくり流れる雲 ひばりたちのさえずり。


モウ アソコニハ カエレナイノカナ…


次から次から ゴミが積まれ 

かかしは ゴミの山の中に うもれていった。


どれくらい時間がたったのか

ふと気がつくと 何やら音がする。

ガサゴソガサゴソ…

何か黒いものが 近づいて来る。

それもいっぱい…