特定検診は、生活習慣病に関する健康状態をチェックして、問題があれば早期のうちに是正・治療をして行こうと始まったものです。血圧・糖尿病・高脂血症を中心にチェックしますが、太っていなくても病気がある場合もありますので、毎年受けて頂くと良いと思います。内科診察のほかに検査項目は身長・体重・腹囲、採血・検尿ですが、場合によっては心電図が入ることもあります。
予約の必要はありませんが、検査がいろいろありますので、診察終了時間の30分ぐらい前までにはお越しください。送られてきた受診券と健康保険証は必ず両方必要です。受診券についているチェック項目に記入して、受診してください。
また、名古屋市国保・後期高齢者の方は、送られてきた書類の中に「名古屋市がん検診」の案内が入っていると思います。これは特定検診とは直接関係は無いのですが、せっかくの機会ですから一緒にやって頂くことをお勧めします。
対象:どなたでも当クリニックで特定検診を受けることができます。
費用:無料です。
対象:受診券の契約とりまとめ機関に「集合B」と書いてあれば、当クリニックで検診を受けることができます。
費用:多くは自己負担分があり、金額は受診券に書いてあります。
当院で受けることができる名古屋市がん検診は、肺がん検診、大腸がん検診、前立腺がん検診、乳がん検診の4種類です。
日本人の部位別がん罹患率では、胃・肺・大腸・男の前立腺と女性の乳腺が、毎年順位が変わっても1〜4位を争っている頻度の高いもので、これらの部位は男女ともに全部のがんの2/3を占めています。まずこれらをチェックすることが、がんの早期発見には重要です。ただ、申し訳ありませんが、胃がん検診は当院ではできませんので、医師会検査センターや近くのクリニックを紹介させて頂きます。
肺がん・大腸がん・前立腺がんは診察時間内ならいつでもOKです。乳がんは、名古屋臨床検査センターへマンモグラフィーの撮影に行って頂く必要があります。
対象:
肺がん・大腸がん・乳がんは、40歳以上の(および年度内に40歳になる)方。
前立腺がんは、50歳以上の(および年度内に50歳になる)方。
ただし、乳がんだけは2年度に1回で、他は毎年度に1回受けられます。
費用:
普通の人は、1種類につき500円。
70歳以上の(および年度内に70歳になる)方は、無料です。
市民税非課税世帯の方は無料ですが、市民税非課税確認書を保健センターでもらってきて下さい。ただし、65〜69歳の方は、介護保険納入通知書(2〜4段階)で代用することもできます。
生活保護世帯の方も無料ですが、区役所民生子ども課で「生活保護受給証明書」をもらってきて下さい。
クーポン券:
大腸がんと乳がんは、40・45・50・55・60歳になる方(正確にはその年度にその年齢になる方)に、6月ぐらいに名古屋市からクーポン券が送られてきます。クーポン券があれば、無料でその検診を受けることができます。
ただ、実際にはクーポン券は必ずしも必要ではなく、保険証などでその年齢であることが確認できれれば、クーポン券を持っているとみなして無料で検診を受けることができます。
肺がん検診はもちろん「がん」の検診ですが、胸のレントゲン写真を撮れば、がん以外にも結核・肺炎などの感染症、肺気腫・肺線維症などの慢性疾患、さらには心肥大・大動脈や肺動脈の異常など、肺や心臓に関するさまざまな情報が得られます。がん検診だけでなく、呼吸器・循環器のさまざまな情報が得られますので、年に1回は胸の写真は撮っておいた方が良いと思います。。
肺がん検診は、通常は胸部レントゲン写真を撮る検査ですが、満50歳以上で喫煙指数(1日本数x年数)が500以上の方は喀痰検査もあります。特に予約の必要はありませんが、レントゲン写真を現像するのに20分ぐらいかかりますので、診察終了時間の30分ぐらい前までにはお越しください。
検査の結果は、少し待っていて頂ければ、その日に聞いて帰ることができますし、忙しければ後日でも構いません。ただ、名古屋市がん検診は、私だけの判断ではなく、医師会の方でもう一度呼吸器専門医が読影し、そこで精密検査が必要かどうかの最終判定が出る仕組みになっています。通常は、月に1回第1火曜日に持って行きますので、その翌日以後に最終判定結果を聞きに、もう一度お越しください。
大腸がん検診は便の検査ですが、がん細胞をチェックしているのではなく、便に血液が混じっていないかをチェックするものです。1リットルの水に血液が1滴入っていれば分かるというもので、かなり高感度です。ですから、胃がんでもたくさん血が出ていれば陽性になりますし、極端な場合には鼻血がたくさん出れば、それでも陽性になります。
そのため、大腸がん検診は全体の約7%の人が陽性、つまり要精密検査となりますが、実際にがんやポリープである人は、その中のさらに7%程度(全体の0.5%)の方です。要精密検査となった場合は、大腸カメラまたは大腸CTを受けて頂くことになりますが、当院ではできませんので検査センターまたは検査をやっている医療機関を紹介します。
便の検査と言っても、ちゃんと専用の検査キットがありますので、それで便の表面をこすり、またキットの中におさめて持ってくるだけです。2日分で1セットですが、1週間ぐらいはそのまま置いておいても大丈夫ですので、2つそろってからお持ちください。
検査キットを診察時間内に受付に渡しておいて頂ければ、結果はその3〜4日後には出ていますので、その頃に受診してください。
前立腺がん検診は、採血でPSAという腫瘍マーカーを測定する検査です。がんはいろいろ種類がありますが、前立腺がんは血液検査でわかる唯一のがんと言っても良いでしょう。これが正常値なら、ほとんどがんでないと言っても良い(ごくまれには例外があります)ぐらい敏感な検査です。
PSAの正常値は4以下ですが、PSAは前立腺がん以外の疾患(前立腺肥大症・前立腺炎など)でも上昇することがあります。ですから、4を超えたら必ずがんというわけではありませんが、がんだったら大変ですので、必ず病院の泌尿器科へ受診して頂く必要があります。紹介先の病院は、患者さんのご希望にそったところへ行なっています。
PSAが4をちょっと超えたぐらいでがんの確率は2割、10前後では8割方ががんだと考えて下さい。なお、名古屋市がん検診での判定は一律4以下が正常となっていますが、若い人の正常値はもう少しきびしく、50〜64歳は3.0以下、65〜69歳では3.5以下、70歳以上は4.0以下とする専門家の意見もあります。
採血するだけの検査ですので、特に予約は必要ありません。結果は、4〜5日後以降に聞きに来てください。この検査は、単独でやって頂いても良いですが、特定検診など他の採血の時、ついでに前立腺がん検診もやって頂くと、痛いのが1回で済みます。
乳がんは高齢者ではなく、50歳前後をピークとした比較的若い人のがんです。全女性の11人にひとりは生涯に乳がんにかかり、年度によっては女性のがん罹患率のトップになることもあるほど多いがんです。ただ、がん死亡率に関しては、乳がんは女性の中で5〜7位ぐらいで、早期に発見して手術を受ければほとんど助かるがんでもあるわけです。
乳がん検診は、マンモグラフィーという特殊なレントゲン撮影を受ける検査です。当院は名古屋市乳がん検診受託医療機関となっておりますが、院内にはマンモグラフィーの機械はありませんので、名古屋臨床検査センターへマンモグラフィーの撮影を受けに行って頂く必要があります。
予約は当院で行います。患者さんは、予約日に名古屋臨床検査センターへマンモグラフィー撮影を受けに行って頂くと、2週間ぐらいで乳がん専門医の読影レポートがついた結果が当クリニックの方に送られてきます。そして、その頃に結果を聞きに当クリニックへ受診して頂きます。
面倒なようにも見えますが、当院の近くに住んでいる方や当院に通院している方でしたら、乳がん検診専門医療機関へ「初診」「検査」「結果」と何度も足を運ぶのに比べれば、便利ではないかと考えています。
骨粗しょう症は、更年期以後に女性ホルモンが低下することによって骨にかかわる代謝が変化し、骨がもろくなる病気です。そのため、骨粗しょう症の患者さんは大部分が女性です。食事や薬など、他の原因が影響している場合もあるので男性も注意が必要ですが、名古屋市委託の骨粗しょう症検診は、女性だけが対象で男性は受けることができません。男性および対象年齢でない女性の方で骨粗しょう症に不安を持っている方は、健康保険の方で受診してください。
検査は、両手の骨のレントゲン写真を撮り、それをコンピューターで解析するという方法で行います。右手の人差し指の付け根の骨を、全身の骨の代表として骨密度を測定いたします。整形外科などでCTを使って椎骨・大腿骨の骨密度を測定する方がより正確ではありますが、CTは被ばく線量がはるかに多いので、検診という意味ではこちらの方が良いと考えています。
レントゲン写真を撮ることはすぐにできますので、予約の必要はありません。お越し頂いたらすぐに検査を行ない、結果はその日に聞いて帰れます。
対象:
毎年度4月1日時点で40、45、50、55、60、65、70歳になっている女性の方が対象です。名古屋市からクーポン券が送られてきますので、それをお持ちになって受診してください。
ただ実際には、健康保険証などで年齢に間違いがないことが確認できれば、クーポン券は無くても、無料で検診を受けることができます。
費用:
無料です。
統計では、70歳代後半で9%、80歳代前半で18%、80歳代後半で34%の方が認知症と言われています。ただ、予備群から重症の方まで、その程度はさまざまです。この名古屋市物忘れ検診は、長谷川式問診検査(HDS-R)とアンケート調査(DASC-21)の組み合わせで、ある程度、認知症なのか予備群なのか正常範囲なのかを知ることができます。
アンケート調査は基本的に家族の方に書いてもらうことになっていますので、必ず家族または介護者の方と一緒にお越しください。一人暮らしの方は、ご相談に応じます。予約制ではありませんので、来院されればいつでも行いますが、少し時間がかかりますので、診察終了時間の1時間ぐらい前までには受付を行って下さるようお願いします。
HDS-R ≧ 21 | HDS-R < 20 | |
DASC-21 ≦ 30 | 低下なし | 低下の可能性 |
DASC-21 > 31 | 低下の可能性 | 低下あり |
対象:
65歳以上で、もの忘れが気になる名古屋市在住の方。(その年度に1回)
費用:
無料です。
B型肝炎・C型肝炎は、ウイルスによって起こる慢性肝炎で、血液・体液を介して他人にうつる可能性もあり、放置していると肝硬変になってしまう怖い病気です。現在は治療法が確立しており、特にC型肝炎はほぼ根治できる時代になってきましたので、早期に発見することが大切だと思います。
当院では、健康診断等で肝機能検査の異常を指摘されているにもかかわらず、一度も肝炎の検査を実施していない方を中心に検査を行っています。
対象:
過去に一度もC型・B型肝炎ウイルス検査を受けたことのない方。
費用:
無料です。
提出先が医療機関(老人保健施設を含む)の場合の紹介状・診断書は、自費扱いではなく健康保険の適用となります。 レントゲン・心電図・採血なども、健康保険でできます。自己負担は、診察料以外に3割負担の方は750円、2割は500円、1割は250円となります。
病児保育の診断書(病児病後児デイケア事業利用連絡書)も健康保険扱いで、小児は0割負担ですから自己負担はありません。詳しくは、名古屋市の病児病後児デイケア事業のページを見て下さい。
介護関係ですが、老人保健施設は医療機関ですので、診断書・紹介状は健康保険扱いです。それ以外の介護施設(有料老人ホーム・特養など)は、施設への診断書・紹介状は保険扱いとなりませんので、上記の医療機関以外へ提出する診断書・紹介状のところを見て下さい。ただし、有料老人ホームに入所し、その後に往診でフォローして頂ける医療機関への診断書・紹介状は、健康保険扱いとなります。
その日の診察に直接関係のある簡単な診断書、例えば「インフルエンザで5日間の自宅安静を要する」などというものは、その場ですぐに作成します。診察料以外に診断書料として1500〜2000円という形にしています。
ただし、内容が複雑でその場ですぐに作成できないようなものは、2000円〜5000円となりますが、そういう例は少ないです。
会社や学校に提出する診断書、介護サービスや介護施設などの診断書、免許の申請・更新のための診断書など、いろいろな種類があると思いますが、ご要望に応じて作成します。血液検査・細菌検査などがある場合は、結果が出るまでに数日かかりますので、余裕をもってお越しください。検尿・胸部レントゲン撮影・心電図ぐらいまででしたら、複雑なものでなければその日に作成できると思います。
診断書作成の基本料金:2500円
診察・身長体重・血圧・視力ぐらいまでのもの。
追加検査のオプション料金:
検尿 250円
胸部レントゲン撮影 1800円
心電図 1500円
血液検査(貧血・腎臓・肝臓・脂質・血糖) 4000円
上記以外の検査は、保険点数に準じて考えています。
診断書でも内容がかなり複雑なもの、英文の診断書などは、基本料金が3000〜7000円と、もう少し高くなります。
申し訳ありませんが、きちんとした人間ドックのコースは設けていません。簡単なものでしたら、「特定検診+名古屋市がん検診」に少し追加すれば、少ない費用で一通りの検査はできると思います。
きちんとした人間ドックを受けたい方は、名古屋臨床検査センター付属診療所の人間ドックをご紹介しています。この診療所は当院が血液検査などいろいろな検体検査を委託している名古屋診療検査センターの付属診療所で、経営母体は名古屋医師協同組合です。厳密には医師会ではありませんがそれに近いものと考えてよく、設備も検査職員も読影医師も非常にレベルが高いです。
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