ワルターは、戦後ザルツブルグ音楽祭等でヨーロッパに復帰していましたがベルリンフィルとは1950年9月に
一度だけコンサートに出演しています、その時のLIVE録音は昔から有名なもので、多くのレーベルから
発売されています。ところが最近になってモーツァルトの40番の演奏が2種類あると連絡を頂いた事から
今回の検証を実施しました。以下その結果をまとめてあります。
1950年9月25日の演奏とされている録音は手持ちで以下のようなものがある
レーベル | 番号 | 収録曲 | |
LP |
日本COLUMBIA |
OW 7210 |
エグモント序曲/モーツァルト40番/ドン・ファン |
LP |
米 ワルター協会 |
BWS 1010 |
エグモント序曲 |
LP |
日本ワルター協会 |
BWS 1007 |
ドン・ファン |
CD |
日本COLUMBIA |
30C37-7918 |
モーツァルト40番/ブラームス2番 |
CD |
KING |
KICC 2073 |
モーツァルト40番 |
CD |
WING |
WCD 125 |
エグモント序曲 |
CD |
TAHRA |
TAH 452 |
モーツァルト40番/ブラームス2番 |
CD |
ARKADIA |
CDGI 738 |
エグモント序曲/モーツァルト40番/ブラームス2番 |
CD |
NOTA BLU |
93.5115 1/2 |
ドン・ファン |
CD |
URANIA |
URN 22.150 |
ブラームス2番 |
CD |
URANIA |
URN 22.158 |
ドン・ファン |
CD |
LEGEND |
LGD 148 |
ブラームス2番 |
CD |
NUOVA ERA |
N・ERA 2234 |
ドン・ファン |
CD |
NUOVA ERA |
N・ERA 2259/61 |
モーツァルト40番 |
CD |
ORIGAIALS |
SH 836 |
ドン・ファン |
参考(「フルトヴェングラーと巨匠たち」の映画のサウンドトラック) |
|||
LP |
日本COLUMBIA |
OS 7076 |
モーツァルト40番/第4楽章 |
比較するにあたり当方にはSOUND用SOFTがありませんのですべてヒアリングのみです。
オーディエンスノイズを時間の後の括弧の中に書いています
TIMEもCDの表示および簡易ストップウォッチでの計測ですので前後1秒ぐらいの誤差あります
全数を聴くことができませんでしたので聴いたもので判断しています
検証1.モーツァルト/交響曲第40番
30C37 7918 | KICC 2073 | TAH452 | CDGI 738 | N・ERA 2259/61 | |
1楽章 | 1:01 (咳) | 1:01 (咳) | ― | ― | ― |
― | ― | 2:06 (咳) | 2:09 (咳) | 2:06 (咳) | |
2:50 (咳) | 2:50 (咳) | ― | ― | ― | |
3:05 (咳) | 3:05 (咳) | ― | ― | ― | |
3:08 (咳) | 3:08 (咳) | ― | ― | ― | |
5:38 (咳) | 5:38 (咳) | ― | ― | ― | |
2楽章 | 0:21 (咳) | 0:21 (咳) | ― | ― | ― |
1:10 (咳) | 1:10 (咳) | ― | ― | ― | |
2:02 (音揺れ) | 2:02 (音揺れ) | ― | ― | ― | |
5:07 (咳) | 5:07 (咳) | ― | ― | ― | |
― | ― | 4:44 (パチ音) | 4:46 (パチ音) | 4:41 (パチ音) | |
― | ― | 5:09 (パチ音) | 5:11 (パチ音) | 5:06 (パチ音) | |
― | ― | 5:41 (パチ音) | 5:43 (パチ音) | 5:37 (パチ音) | |
― | ― | 5:50 (パチ音) | 5:52 (パチ音) | 5:46 (パチ音) | |
6:16 (咳) | 6:17 (咳) | ― | ― | ― | |
6:55 (咳) | 6:55 (咳) | ― | ― | ― | |
7:13 (咳) | 7:13 (咳) | ― | ― | ― | |
3楽章 | 1:05 (咳) | 1:05 (咳) | ― | ― | ― |
― | ― | 2:01 (ギシ音) | 2:03 (ギシ音) | 2:00 (ギシ音) | |
2:26 (咳) | 2:26 (咳) | ― | ― | ― | |
― | ― | 2:28 (ギシ音) | 2:31 (ギシ音) | 2:28 (ギシ音) | |
― | ― | 2:32-34(連続ギ シ) |
2:33-35(連続ギ シ) |
2:31-33(連続ギ シ) |
|
2:39 (咳) | 2:38 (咳) | ― | ― | ― | |
― | ― | 3:08 (カチ音) | 3:10 (カチ音) | 3:06 (カチ音) | |
3:20 (咳) | 3:20 (咳) | ― | ― | ― | |
4楽章 | 0:18 (咳) | 0:18 (咳) | ― | ― | ― |
1:09 (咳) | 1:09 (咳) | ― | ― | ― | |
1:10 (ギー音) | 1:11 (ギー音) | 1:10 (ギー音) | |||
1:26 (咳) | 1:26 (咳) | ― | ― | ― | |
1:28 (咳) | 1:28 (咳) | ― | ― | ― | |
拍手 | なし | なし | あり | あり | なし |
日付 | 1950/9/25 | 1950/9/25 | 1950/9/25 | 1950/9/24 | 1950/9 まで |
検証2.エグモント序曲
OW7210 | WCD125 | BWS1010 | CDGI 738 | |
1:58 (咳) | 1:58 (咳) | 1:58 (咳) | ― |
|
6:20 (咳) | 6:20 (咳) | 6:20 (咳) | ― |
|
拍手 | なし |
なし |
なし |
あり |
検証3.ドン・ファン
OW7210 | BWS1007 | N・ERA 2234 | URN 22.158 | |
5:21 (咳) | 5:22 (咳) | ― | ― | |
5:42 (咳) | 5:43 (咳) | ― | ― | |
6:40 (咳) | 6:41 (咳) | ― | ― | |
7:01 (カタ音) | 7:02 (カタ音) | ― | ― | |
7:57-8 (咳) | 7:58-9 (咳) | ― | ― | |
8:31 (咳) | 8:33 (咳) | ― | ― | |
― | ― | 8:33 (カタ音) |
8:32 (カタ音) |
|
12:15 (咳) | 12:16 (咳) | ― | ― | |
拍手 | なし | なし | あり | なし |
検証4.ブラームス/交響曲第2番
30C37 7918 | TAH452 | LGD148 | CDGI 738 | |
2楽章 | 3:52-53 (咳) | 3:47-48 (咳) | 3:54-55 (咳) | 3:49 (咳) |
3楽章 | 4:35-40 (カタカタ) | 4:35-40 (カタカタ) | 4:35-40 (カタカタ) | 4:38-42 (カタカタ) |
4楽章 | 8:44 (418小節Tpミス) |
8:33 (418小節Tpミス) |
8:44 (418小節Tpミス) |
8:33 (418小節Tpミス) |
拍手 | なし | なし | なし | あり |
日付 | 1950/9/25 | 1950/9/25 | 1950/9/25 | 1950/9/24 |
以上の事を踏まえ、ブラームスの2番以外は日・米ワルター協会とTAHRA・イタリア系の2種類の 録音が存在することを確認 現在ベルリンの演奏会は9/24-25の2日間行われた事、それ以外に映画用で4楽章のサウンドトラックがある事が判っていま この2種類の音源をどう考えるかですが、3つぐらい考えられます @24日/25日両日の演奏会の録音だが、ブラームスはどちらかの録音が消失した為1種類 A一つは25日の録音で他は放送用の録音、ブラームスは放送時間の関係で録音しなかったので ブラームスは1種類しか Bゲネプロの録音と25日の録音、ブラームスは通しで練習しなかった為本番1種類のみ存在 いずれにしてもワルターの演奏は殆どテンポが同じで、2種類の音源がある事に全く気がつきませんでした 今回の件はまだまだ、調べなければいけない事がたくさんありますが現時点での確認できたことを公表しました このページをご覧になって何か気がついた事やご存知の事がありましたら是非掲示板に書き込みください 2023/7/11 追記 この時の演奏会が3回あったことが判明しました、そうなると24日の録音は19:00からのものでブラームスの録音が 存在しない理由になりそうですし25日のためのテスト録音かもしれません −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1950/9/24(11:00〜) ティタニア・パラスト ベートーヴェン/「エグモント」序曲Op.84 モーツァルト/交響曲第40番ト短調K.550 R・シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」Op.20 ブラームス/交響曲第2番ニ長調Op.73 1950/9/24(19:00〜) ティタニア・パラスト スクールシアターコンサート ベートーヴェン/「エグモント」序曲Op.84 モーツァルト/交響曲第40番ト短調K.550 R・シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」Op.20 1950/9/25(19:00〜) ティタニア・パラスト ベートーヴェン/「エグモント」序曲Op.84 モーツァルト/交響曲第40番ト短調K.550 R・シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」Op.20 ブラームス/交響曲第2番ニ長調Op.73 |
今回、初めにこの事に気が付いた西谷さんの分析を以下に掲載します
この件について興味をもたれて西谷さんとコンタクト取りたい方は西谷さんのHPにアクセスください
メールで頂いているので要点を箇条書きにしました |
◆ARKADIAのエグモントの終演後の拍手は本物のようですがモーツァルト、ブラームスの拍手は取ってつけたような音で 別のテープをつなげているようです、更に、モーツァルトの拍手ですが、TAHRAとARKADIAは別のものでした ◆ワルター協会ソースのLP(日本コロンビア)の特徴 ◆TharaのCDの特徴 聴いた印象では2曲とも聴衆なしの録音だと思いました。 ◆ArkadiaのCDの特徴 エグモント序曲の拍手は、前後に繋ぎ目の確認が出来ませんでした。 ◆NUOVER ERAのドン・ファンの特徴 ◆当時のベルリンの録音事情について少し思い当たるものがあったのでshin-pさんのサイトで確認してみました。 後からEMI盤が2日混成されたものだと知りました。 ◆当時のベルリンでの録音事情について追記です。ダーレム・ゲマインデハウスはベルリン・フィルの ◆音の傾向から各曲を分類してみました。 /////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// |