<病気のあらまし>
発疹は、胸や顔から始まって少しずつひろがり、4−5日でだんだんひいてきます。発疹が出る頃に、熱が出ることもありますが、半分以上の子どもは熱が出ません。発疹は癒合傾向のない小さな赤い発疹で、少し盛り上がった感じがあります。耳の後ろや首のところのリンパ腺が腫れるのが特徴で、関節が痛くなることもあります。
診断は、発疹の形と症状で決めることになりますが、典型的でない場合も多く、正確な診断はできません。ですから、かかったことがあるという人でも、実はそうでないことがよくあります。潜伏期は2週間くらいです。
<治療・合併症>
他の子供にうつるといけないので、完全に発疹が消えるまでは、幼稚園や学校には行ってはいけませんし、家の外にも出ないようにしましょう。数千人にひとりぐらいは、脳炎や血小板減少性紫斑病などの、重大な合併症が起きることもあるので、あまり軽く考えてもいけませんが、通常、症状はひどくありませんので、隔離以外は普通の風邪のような対処で良いと思います。
問題なのは、もし妊娠中に風疹にかかると、先天性風疹症候群と言って高率に奇形児が生まれるということです。特に妊娠早期は30〜50%と極めて高い確率です。世の中の妊婦のために、つまり風疹が流行しないように、風疹の子供は、症状が軽くてもきちんと隔離しておいてください。
<予防接種>
風疹の予防接種は、もちろん重大な合併症もまれにはあるので、その子供が風疹にかからないようにするという意味もありますが、どちらかと言えば、世の中に風疹が流行して妊婦にうつったりするのを防ぐという意味合いが強いです。女の子は自分の将来のために、男の子は世の中の妊婦のために、そして将来の奥さんのために、必ず予防接種を受けましょう。
風疹の予防接種は、現在、麻疹の予防接種と一緒になっていて、MRワクチンと呼ばれているものです。1歳を過ぎたらすぐに接種を受け、幼稚園の年長児のときに、2回目の接種を受けます。
風疹の診断は根拠があいまいなことが多く、断定的に風疹だと決めることはなかなかできません。風疹にかかったことがあることになっていても、予防接種はそのまま受けてください。もし、過去にかかっているのに予防接種をやったとしても、痛いことが損するだけで何も害はありませんし、抗体価自体も多少アップしますから。
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