<病気のあらまし>
鼻水やのどの痛みなどの風邪症状をともなって、4日間ぐらい熱が出た後、一瞬熱が下がりますが、そのあと、40℃の熱をともなって全身に赤い斑状の発疹が出ます。発疹が出る1〜2日前から、コプリック斑という白い斑状のものが口の中にできますが、一般の方にはちょっとわかり難いと思います。予防接種のおかげで、麻疹はごくまれな病気になってしまったので、一般の方どころか最近の若い先生も、コプリック斑は見たことが無いかもしれません。発疹は4〜5日でひいてきますが、黒っぽい感じはしばらくの間残ります。
潜伏期間は、12日ぐらいです。母体の免疫が残っているので、生後6ヶ月以内は、麻疹になることはほとんど無いことになっていましたが、最近は母親の麻疹抗体が低下していることにより、それ以下の月齢でもかかることはありえますので、注意が必要です。
<治療・合併症>
肺炎や脳炎など、3分の1ぐらいの患児には合併症が起きます。かなり重症な病気ですので、半分以上入院が必要だと考えて下さい。ただ、ウイルスを殺す薬はありませんので、基本的に全身状態の管理と二次感染の治療となります。
<予防接種>
重症な病気ですので、予防接種は1才を過ぎたらすぐやりましょう。現在は風疹とワクチンと混合で、MRワクチンと呼ばれているものです。予防接種の有効率は、98%ぐらいあります。ただ、重症な病気であることと、年令が進むにつれて抗体価が下がってくるという問題点があるため、幼稚園の年長児のときに、2回目の接種を受けることになっています。
麻疹の予防接種は、あとで熱が出ることが時々あります。麻疹ワクチンは生ワクチンと言って、生きた弱いウイルスを注射して軽くかからせるような形で免疫をつけるワクチンだからで、注射してからおよそ9〜12日ぐらい後のことです。頻度的には、37℃台の熱が出る確率は30〜40%ぐらいありますし、38℃以上になる確率も数%はあります。また、発疹が出ることも10数%あるようです。ただ、もし熱が出ても、通常は1〜3日で下がります。
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