前のページ トップページ
伝染性軟属腫 (水イボ)

<病気のあらまし>
伝染性軟属腫は水イボとも言いますが、ウイルスによる良性のイボです。水イボは、ほうっておいても6〜24ヶ月ぐらいで自然に治ることがほとんどです。かゆくなることは時々ありますが、ひどく痛くなるようなことはなく、全身に与える影響はまったくありません。アトピーの子供は、普通の子供より皮膚のバリアーが弱いせいか、水イボになりやすいです。

伝染性という言葉が付いているので、非常にうつりやすいと思っている方が多いようですが、伝染性という言葉は、どちらかといえば自分の体の表面であちこちに広がって行くことを指しているのです。他人にうつることはもちろんありますが、ちょっといっしょに遊んだらすぐにうつってしまうほど確率の高いことではありません。

プールでうつるという言葉の意味が、幼稚園などの関係者の間で多少誤解があるために、いつも説明に困ります。プールの水の中では皮膚の表面を常に塩素殺菌をしているようなものですし、通常の塩素濃度でウイルスはすぐに死んでしまします。

うつるのはプールの水の中ではなく、肌を直接露出した子供が一緒にいて接触する更衣室やプールサイドの方です。そういう意味では、半そで半ズボンで教室で長い時間いっしょに遊んでいれば、うつる頻度はプールと教室では大差ないんじゃないかと思っています。一応、ビート板やタオルは共用しない方がよいと思います。

プールに入ってもよいかという質問に対しては、医者という立場上、答えにくいものがあります。うつるかといえば、うつることはあります。しかし、例えば、「とっても元気で熱もせきもなくて鼻汁だけがちょっとだけ出ている」という子供を、学校や幼稚園に行かせてはいませんか?少なくともそちらの方は全身の感染ですから、水イボでプールに行くよりはずっとよくないことです。また、うつるのは肌を露出しているからであって、プールだけでなく教室でも十分にうつることはあります。水イボをとる処置をしても100%とれるわけではありませんから、うつる確率が減るとは思いますがゼロにはなりません。

つまり、厳密なことを言い出したらきりがないということです。個人的には、水イボがあってもプールに入ったっていいんじゃないかと思っています。このあたりのことは、医学的な問題というよりは、きれい好きなお母さんの気持ちの問題だと思うのです。

自分の体の表面での広がって行くパターンは、水イボを引っかいてイボがつぶれると、その指や爪の間にウイルスがくっついていて、その指で別のところを引っかくと、そこにうつってゆくと考えられています。他人にうつるのも、その指で友達にさわったり引っかいたりするのが、感染原因のかなりの部分を占めていると思います。ですから、広がらないようにするため、爪をよく切っておくことは重要です。

<治療・合併症>
治療に関しては、とるべきだと言う医者と、とる必要がないと言う医者に意見が分かれますが、私はとる必要がないという考えでやっています。全身に与える影響が全くなく、ほとんどが自然に治ってゆき、多少痒いぐらいで自覚症状もあまりなく、うつる頻度もそれほど高くなく、再感染も起こらない病気なのに、痛い思いをすることはないと思います。

もちろん、お母さんに頼まれて、専用のピンセットで水イボを取る治療は私もやっておりますが、はっきりいって小さなものまで全部とることは不可能で、目に付く大きなものをとるだけになってしまいます。ですから、水イボを取る治療をやったら、もううつらないかといえば、やっぱりうつる可能性はあります。数を減らしているだけで、根本的な治療をしているわけではないからです。ただ、どんどん広がってゆくスピードが速いものとか、痒みが強いものは、私も取る方向で考えています。

<その他>
一度かかって治った後は、免疫ができるので、再びかかることはまずありません。


 トップページに戻る  前のページに戻る  メールを送る
情報利用に際してのご注意とお願い