名古屋市瑞穂区 かのうクリニック 予防接種について

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小児の感染症

溶連菌感染症について

<病気のあらまし>
溶血性連鎖球菌(略して溶連菌)という細菌が、のどについて起こる病気です。典型的には、のどや扁桃腺が真っ赤になって白い膿状のものが付き、のどの奥に点状の粘膜下出血を起こし、38〜39℃の高熱が出て、舌もいちごのように赤くぶつぶつになります。1〜2日してから、前胸部や大腿部などに細かなピンク色の発疹が出ますが、出ないこともよくあります。

検査は、のどを綿棒でぬぐって数分間ぐらい処理すると、すぐ結果がわかる簡単なものがあります。ただ溶連菌は常在菌といって普通の子供にもいます。健常な子供を全員検査してみると約20%の子供は陽性になりまので、検査が陽性なら溶連菌感染症というわけではありません。上記のような症状があってしかも検査が陽性であれば溶連菌感染症と診断してよいと思いますが、何の症状もなく診察上も異常がなければ、検査が陽性でも溶連菌感染症という診断にはなりません。

この病気の一番の問題点は、たまに腎臓が悪くなることがあるということです。当院でも、以前は数年に1人ぐらい、病院に紹介して入院になる子供がいました。ただ、この腎障害は、入院して適切な治療を受ければ、重症化したり慢性化したりすることは少ないと言われています。

<治療・合併症>
うつることがありますので、2〜3日は隔離は必要です。ウイルスではなく細菌ですので、インフルエンザやおたふく・水ぼうそうなどのように空気感染はしませんが、やはり、唾液や鼻水などから飛沫感染でうつってゆきます。

治療の上で重要なのは、抗生物質を1週間〜10日は飲みつづけないと、治りきらないということです。通常の合併症のないコースでは、3日分くすりを出して、2日後に来院して頂き、のどなどの症状と検尿の結果が良ければ、残り7日分のくすりを出しますので、くすりが全部無くなったらもう一度来院して頂きます。2週間後の尿検査がOKならおしまいです。

学校や幼稚園は、熱が下がってのどの赤みがとれたならOKです。抗生物質がちゃんと効けば、通常2〜3日でよくなりますので、あとはくすりを飲みながら通学するということになります。学校伝染病第2類に分類されており、規則では、抗生物質治療を開始してから24時間以内は、登校登園してはいけません。ただ、通常は、2日後の受診で問題がなければ、3日後からOKという風にしています。

腎障害が気になりますので、尿がちゃんと出ているか、足がむくんでいないかをチェックしていてください。なお、まれな合併症としては、リウマチ熱(心臓に炎症が起こり弁膜症の原因となるもの)やシデナム小舞踏病(自分の意思に反して顔をしかめたり手足のおかしな動きをするもの)などがありますが、頻度としては稀です。最近、溶連菌感染症の後に、自閉症に似た強迫性障害や特殊なチック症を伴う、PANDASと呼ばれる小児の精神科疾患が、専門医の間では話題になっているようですが、これもまれなことのようです。

<予防接種>
予防接種は、ありません。しかも、一度かかっても免疫はできないので、何度でもかかる可能性があります。